ものラボとは

ごあいさつ

日本のものづくりは世界一。精緻な技術力を磨くには長い歳月を要します。知識、経験、試行錯誤、これらがなければ世界一の品質は達成できません。今後、日本のものづくりを支えていく上で最も大切なことは、若い人びとの動機付けです。しかし今の子ども、若い人を巡る環境にはなかなかものづくりの楽しさを実感する場が見当たらないのが実情です。このため、実際にものを生み出すということ、あるいは、ものを生み出して生活していくということに対して、彼らの目が向かわなくなりつつあります。

ここで、彼らがこれから足を踏み入れる『労働』という行為を捉え直してみると、それは本来、人との関係の中で自分をつくりだし、表現していくことと結びついていました。役割を担うこと、人の役に立つこと、それらすべてが自分を表現し、この社会に位置づけていくことでした。

「ものづくり」もそのような面を持っています。ものを作る過程で、素材と対話し、自分と対話し、仲間と対話することで、自分をその「もの」へと表現していく、すなわち、自己表現の最たるものが「ものづくり」だったのです。この社会は、効率や生産性と引き換えに、そうした「ものづくり」の楽しさを失ってきたのかもしれません。

しかし、今この社会は、新たに「ものづくり」を生み出すきっかけを持ち始めています。

誰もが表現者になろうとする時代、誰もが自分のスタイルを発信できる時代がやってきたのです。その時、この自己表現と「ものづくり」を結びつけない手はありません。もともと、「ものづくり」は自分をこの社会へと表現していくものであったのですから。

私たちは今、社会総がかりで「ものづくり」を推し進めることで、人々の自己表現の思いを解放して、新たな価値を生み出し、それを実体化し続ける社会の到来を間近にしています。MONO-LAB-JAPANは、新しい「ものづくり」によって新しい社会を実現しようとする試みです。そして、新しい「ものづくり」を担う「ひと」を育成しようとする試みです。

ようこそ、MONO-LAB-JAPANへ。

本事業の名称

東京大学大学院教育学研究科牧野研究室「ひと・ものづくりプロジェクト」MONO-LAB-JAPAN

- 略称:MONO-LAB-JAPAN「ひと・ものづくり」プロジェクト

- 通称:東大ものラボJAPAN(和文表記)・UTokyo MONO-LAB-JAPAN (欧文表記)

本事業の理念

「子ども・市民のものづくり創発プログラムの開発」

本事業の概要

本事業の実施主体は、東京大学教育学研究科牧野研究室です。

東京大学教育学研究科牧野研究室が、新しい市民参加型の「ものづくり」プログラム MONO-LAB-JAPAN を主宰し、株式会社和井田製作所の協賛を得て行うものです。