2016 ものラボワークショップ in 高山 第2回

こんにちは!ものラボスタッフの福森です。


少しずつ秋も深まって、肌寒い朝が増えてきました。布団から出るのは日に日に億劫になっていきますが、美しい景色とおいしい食べ物が私たちを楽しませてくれる季節でもあります。高山へ向かうバスの中から上高地の紅葉の絶景を味わい、休憩場所の平湯温泉で飛騨牛コロッケに舌鼓を打つのが私のひそかな楽しみです…!いや、全然ひそかじゃなくて堂々とした楽しみですね、はい(笑)。


というわけで、先週末10月22日に、第2回の高山ワークショップが開催されました!今回はアイスブレイクの「ウソ?ほんと?ゲーム」に、ホバーディスクの作成、工場見学、3D CADの体験と、非常に盛りだくさんの内容でした。


最初に行った「ウソ?ほんと?ゲーム」は、ゲーム形式で自己紹介をして、班のお友達のことを互いに知りあおうというものです。子どもたちにはあらかじめワークシートを配布して、4つの空白に、1つだけウソの内容が含まれるようにして1文ずつ自己紹介を書いてきてもらいました。そして、ひとりずつ順番に名前と4つの自己紹介文を発表してもらい、班の他のメンバーが、どれがウソの内容かを考えます。どういった4文を書いてくるかにも子どもたちの個性が出ていて、どれも本当っぽくて難しいという子もいれば、逆にどれもウソっぽくて難しいという子もいました。中には、1つだけ明らかにウソとわかるとんでもない内容を書いている子もいましたが、「そんなの絶対うそじゃーん!!」と、これはこれで盛り上がっていました(笑)。第1回は個人作業が中心でなかなか話ができなかった班のメンバーとも、このアイスブレイクを通じて仲良くなってもらえたのではないかと思います。


そのあとは、奇数班(1班・3班)と偶数班(2班・4班)とに分かれて、ホバーディスク作成&工場見学と、3D CADの体験とを行いました。80分を1コマとし、終わったら奇数班・偶数班を入れ替えました。


ホバーディスク作成では、風船とCDを使ってホバリングをするおもちゃ(ホバーディスク)を作りました。子どもたちには、完成品とその挙動を見せて、どのように作れば浮いて動くか考えながら制作してもらいました。特に細かい説明はしなかったので、うまく制作できるか不安でしたが、どの子どもたちも、すぐに必要な材料、素材を考え出し、作業に取り掛かっていました。子どもたちの発想力には驚かされるばかりで、特にどうすれば風船が割れなくなるかについて凝らした工夫は大人顔負けのものでした。これから先に取り掛かるピタゴラ装置もすごいものができるのではないかと期待してしまいます!



完成後は、二人一組でホバーディスクをうちわで扇いでゴールに運ぶレースゲームを行いました。なかなかうまく進んでくれないホバーディスクですが、子どもたちはすぐにコツを掴みスイスイ動かしていきました。班によっては班のメンバー全員で扇いでゴールを目指すチームワーク抜群のところもありました。まだ、出会ってわずかのメンバーでこれほど協力できるのか!と、とても驚かされました。あまり長く遊ぶ時間はとれなかったのはちょっと心残りだけど、風船さえ替えればずっと使えるのでみんなお家でも遊んでね。



ホバーディスク作成の後はみんなで和井田製作所さんの工場見学に行きました。これまで聞いたこともない単位、精度でものを作る和井田製作所の技術に子どもたちは驚きの連続でした。身近にある企業がどのようなことをやっているのか、イメージをつかめたことでしょう。この様な機会を通してものづくりにもっと興味を持ってもらえたら幸いです。


もう一方の3D CAD体験では、例年使用している「123D Design」というフリーソフトを用いて、小物入れの作成を行いました。小物入れのモデルは、8月に「サイエンスキャンプぎふ」で子どもたちに作成してもらったモデルのマイナーチェンジ版です。パソコンは2人に1台を用意し、交代で協力しながら作ってもらいました。今回は岐阜で行ったように基本操作を学ぶ時間は設けず、いきなり設計図を配布して、それを見ながら自分たちで試行錯誤してもらう形をとりました。


設計図には細かい操作方法を書いておらず、大まかな概略を記したのみだったので、最初は難しく戸惑った部分もあったかもしれません。しかし、だからこそ「この操作はどれを選べばいいんだろう」「こうすればいいんじゃない?」などと、ペア同士でのコミュニケーションが促されたり、時には私や高校生のお兄さんたちにヒントをもらって正解を導いたりといったことがありました。岐阜では全く完成にいたらなかったことが反省点としてあったため、今回もどれくらいの作成ペースになるのか懸念していましたが、ほどよく協力や助言が生まれたことで、おおむね1時間程度で完成にいたりました。



モデルが完成したペアは、「今日のまとめ」として、ワークシートの穴埋め形式で基本操作の振り返りをしてもらい、残った時間は自由にCADを楽しんでもらうこととしました。完成した小物入れに自分たちの名前を彫るペア、私が用意したサイコロのモデルをまねて作ってみるペア、他にどんな機能があるのかいろいろと試しているペア、積み木や森のようなものを作っているペア、さらには、学んだ内容を応用してオリジナルのペン立て作りに挑戦しているペアなど、様々でした。こうやって自由にいろいろと触れてみることが、CADでのものづくりの感覚を養ってもらうのに効果的だったのではないかと思います。


なかには、完成直前にしてソフトウェアがダウンしてしまい、データが消えてだいぶ前の段階に戻ってしまったペアもありました。ほぼ95%完成していたため、「もうできたことにして自由に遊んでいいよ」と私は言おうとしましたが、そのペアは、消えてしまったことに決してめげず「最後まで作るんだ!」と再び作成にとりかかりました。その執念に私は感心し、しかも2回目はものすごいスピードで進めているのを見て、この経験も彼らにとってかけがえのないものなのだと感じました。(でもごめんね!笑)



今回作成した小物入れは、実際に3Dプリンターで印刷し、最終回で子どもたちにおみやげとして配布する予定です。楽しみに待っててね!


第2回はこのように非常に盛りだくさんな内容で、子どもたちは少し疲れてしまったかもしれません。休憩を挟まない3時間ノンストップのプログラムとしてしまい、その点子どもたちには申し訳なかったのですが、それだけ充実した体験がたくさんできたのではないかと思います。さて、次回からはいよいよメインとなるピタゴラスイッチの制作に入ります。これまでに仲良くなった友達との絆と、少しずつ磨きがかかってきたものづくりスキルで、どんな素敵な装置が生まれるのだろうかと今からワクワクしています!


それでは、次回以降もよろしくお願いします。ありがとうございました。

福森(一部執筆・山田)

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