ぎふサイエンス・キャンプ活動報告(3日目)

初めまして。ものラボスタッフの松尾と申します。 2014年度よりスタッフとして活動しておりますが,ブログの投稿は今回が初めてです。 よろしくお願いいたします。 

前回の投稿に引き続き,ぎふサイエンス・キャンプの最終日の様子をご報告いたします。 


2日目同様に,最終日も爽やかなラジオ体操から一日が始まりました。 ラジオ体操後に行われた各班でのミーティングでは,今日自分が頑張ること,そして班のみんなのために頑張ることの確認をしました。どの班も,この後に待っているピタゴラ装置の最終調整,そして発表会に向けて程よい緊張感を持っていたように思います。

朝食後,宿泊室の片付け,荷造りを済ませた後に,クラフト室でピタゴラ装置の最終調整を行いました。短い時間ながらも,子どもたちは声をかけあいながら,スタートからゴールまでのコースの確認を行っていました。正直3日間で子ども同士どれほど打ち解け合うことができるのか不安ではありましたが,どの班の子どもたちも様々な活動の中で,協力し合うことによって,仲間と呼べるほどの関係性になっていました。 

そしていよいよ,発表の時間です。 今回のぎふサイエンス・キャンプでは,発表を実演会と上映会に分けて行い,保護者の方々にも見学していただきました。 実演会では,1日目の計画づくりの際に「ラウンドコメント」を行いあったペア班のテーブルに行き,コースの説明を受けたのちに,ピタゴラ装置が実際に動くところを見せ合いました。「自分が出したコメントがピタゴラ装置に反映されている箇所があった」,「ここの部分がどうなるかと思ったけど,よくつながってるね!」など,二日前の装置と完成した装置を比較して,ペア班の発表後にコメントをしてくれる子もいました。 ペア班同士の実演発表は今回初の試みでしたが,目の前にある完成した装置とそれができるまでのプロセスを共有し合った経験があったからこそ,スタートからゴールまで上手くボールが進めば共に喜び,上手くいかずに悔しがる班の姿があれば,暖かく見守りつつ「頑張れ」と声をかけ合う姿がそこにはあったのだと思います。  


実演会終了後は,多目的ホールに移動して,全班のピタゴラ装置を事前に収めたビデオの上映会を行いました。ビデオ上映の前には,班ごとにピタゴラ装置の名前,工夫した点,難しかった点などを前に出て発表してもらいました。自分の保護者を含め,大勢の大人の前で話すという経験は,始まる前はとても緊張したけれど終わってみれば意外とそんなに緊張しなかったという子どもが多くとても驚きました。上映会の興奮と熱気の余韻を残したまま,閉会式が始まりました。 

閉会式の中で,この3日間を振り返る映像が流れました。 この映像がまた学生スタッフの涙腺に働きかけるものでして,子ども以上に感動に浸っているスタッフが多かったのも,一生懸命子どもと寄り添ってたくさんの経験を共有し,共に活動してくれていたからこそだと考えます。 

その後のピタゴラ装置の解体式。名残惜しそうに装置を見つめる子どもたちと,これを解体しなければならないと告げるスタッフ。一瞬の間を置いて,「じゃあ最後にもう一回動かそう!」という声が色々なところから聞こえてきました。次は上手くいくはず,もう一回,もう一回…成功すると信じて。3日間,必死に作り上げたものをキレイさっぱり壊すという経験は,想像以上に気持ちの整理の時間を必要とすることでもあります。子どもたちの中で,ピタゴラ装置と自分の気持ちとの間にケリがつくと,「ぼくはこの部分を持って帰りたい」,「私はここ」というように,装置の解体に手をつけ始めていました。 自分の作った装置を照れつつも誇らしげに家族に自慢し,あまりにも大きな装置を作った子どもは「これどうやって持って帰るの?」と母親に尋ねられていたりもしました。 結局どうやって持って帰ったんでしょうかね(笑)。気になるところではあります。 

今回のぎふサイエンス・キャンプでの3日間を通して,子どもたちは何を感じ取ってくれたのでしょうか? 「理科ってやっぱり面白いな」,「みんなと何か作るのって楽しいな」,「ご飯が美味しかったな」,「みんなで泊まったのが楽しかったな」,「センサー難しかったけど,もっと知りたいな」,「3DCADがあれば何でも作れそうだな」。 みんなと一緒に一つのものを作り上げる経験を通して,きっと私たちじゃ把握しきれないくらい多くのことを吸収し,そしてそれぞれが色んなことを考えてくれたのではないかなと思います。 楽しかった,悔しかったその経験が,子どもたちのこれからの成長へのスパイスとなってくれるのだとすれば,私たちにとってこんなに嬉しいことはありません。 

最後に私にとって今回のぎふサイエンス・キャンプは,ワークショップを行う中で,日々そして刻一刻と成長する子どもたちに寄り添えることをありがたく思いつつ,これからもスタッフとして活動していきたいと改めて考えることができた大変貴重な時間でした。 ご協力してくださった皆様,どうもありがとうございました。 そして,これから始まる秋の高山ワークショップについても,引き続き頑張っていきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 

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